必要があって半年ばかり、住まいから王子方向への同じ道を、ほぼ毎日、通いました。
毎日同じ道を歩いていると、落とし物にけっこうであいました。
1キロに満たない距離なのに、寒いころなんて、手袋の片方が、多いときは週2,3回落ちていました。
「手袋の片方」じゃ、警察にとどけることもできないし。
なので、近くのできるだけ目立つような場所に置きなおしたりしてみましたが、
たいていは何日もそのままでした。
ベビーシューズやベビーくつ下の片方(赤ちゃんって、靴下を脱ぐのがおもしろいらしい)、小学校の学帽なんかもありましたね。
落とし物を見るにつけ、落とし物するのってひとまだけじゃないんだって、ちょっぴり安心しましたが…。 落とした人はやっぱり、がっかりしてるよね。
落とし物 幼児の靴
5月のある日、北本通りから郵便局の本局へ抜ける小公園への細道を歩いてたら(ホンダのオートバイ販売店の裏の細い道です)
小道の端に工事現場で見かけるオレンジ色の帯のコーンの上に、小さな子どもの靴の片方がちょこんと載ってました。
道に落ちてたのを、だれかが拾って載せてあげたみたいです。
小さい子の靴って、安くないんですよね。
大人の靴とあまり変わりない値段だったりすることだってあります。
落とし主が気づけばいいな、と思いながら横目で見て通り過ぎました。
数日後、同じ道を通ったらコーンも靴もなかったけど…。
結局どうなったのかな、あの靴。
持ち主の小さな足に、またはいてもらえたの?
落とし物 キーホルダーに入れた鍵
この数年で、警察に落とし物を届けたのは今回の鍵をふくめ2回だけ。
一回は、定期券入れで、まだ半月以上使える定期券が入ってました。
そして、今回、キーホルダー。
北本通りから一本入った道のやや端っこに、落ちていました。
もしかしたら、めんどうだからだれも拾わないのかもしれないとおもいつつ、
(落とした人は、困ってるだろうな…)
そうおもうと、そのまま通り過ぎることもできかねて、けっきょく拾いました。
で、拾い上げて、すぐそばの店舗に目をやると、店主が、ガラス扉を出て、こちらを見ていました。
一瞬、預かってもらえないかと考えたけど、迷惑に決まってるので言いだせず。
「家の鍵みたいだから、困ってるでしょうね」
手にしたカギを見せながら店主に声をかけると、そうだね、と応じながら、
「帰り道に交番はないの?」
店主が聞き返しました。
(この店主は、この鍵が落ちてるのに、気づいてて、誰かが拾うの待ってたのかも…)
なんて思いつつその場を離れ、
ちょっぴり遠回りして、王子警察署に届けることにしました。
権利放棄すれば、めんどうな書類とか書く必要はない…
(氏名とか、書類書かされるんだったら、めんどうでやだな)と思ってたら、
キーホルダーを受け取ってくれた窓口の若い女性がこちらの気持ちを察して、
「権利放棄するのなら、書類書かなくてもいいですよ」
といってくれました。
「けんりほうきって、何の権利?」
たずねると、
「届けてもらったのでお礼をあげたい、とかいうときの、(落とし主からの)謝礼をもらう権利…」
もちろんそんな権利はいらないので、係の人に手渡して終わり、でした。
そいうわけで、お金や換金できるものじゃなければ、落とし物とどけても、あまり面倒じゃないとわかりました。
だけど、赤ちゃんの靴片方って、やっぱり届けにくい。
交番や警察署まで、「あのう、子どもの靴片方、とどいてませんか?」
なんて取りに来る落とし主も、あまりいないだろうし。
あなたなら、どうしますか?
王子警察 自動ドアが開くと、【コン絶「振り込め詐欺」提灯】を手にした異形のキツネが立ってます
コメント